道尾秀介著作のミステリー小説「風神の手」は数十年の歳月を経た物語が、1つの遺影写真館に集まり、
感動的な最終章へとつながっていく運命の大きな流れを感じられるような小説です。
偶然の奇跡を生み出す風を感じられる小説

風神の手は遺影専門の写真館がある街を舞台に、違う時間と場所を生きる人々の暮らしが書かれています。
それぞれの人が悩みながら選んだ選択が、別の場所で別の時代の人の運命を変える、
そんな偶然の積み重ねが1つの事件を起こしてしまいます。
1つの事件が起こればまた別の事件を呼ぶ、というように偶然は積み重なっていきます。
あちこちにちりばめられていた謎は、最終章で遺影専門写真館に集結し、大団円を迎えます。
見事に伏線を回収しつくす、道尾秀介らしいミステリー小説といえます。
運命の見えざる手が感じられる風神の手
風神の手のテーマを一言で語るならバタフライ効果がイメージとしてしっくりきます。
誰かのためを思ってついた一つの小さな嘘が大きな事件へと展開していくような流れを、
最初にうそをついた人は想像すらしていません。
バタフライ効果のような、運命の見えざる手に翻弄されていくような展開は
現実の世界でも肌身にしみているという人は多いことでしょう。
風神の手を読んでいると、最初のあの選択が違っていればこの結果はなかったかなと思うような箇所がいくつも出てきます。
最終章の大団円を迎える場面まで、いくつもの変遷があり、謎があり、
いくつもの分岐点がありました。
それらの謎と分岐点を超えて登場人物が1か所に集まる最終章は感動的でした。
まとめ

風神の手は楽天ブックスでも電子書籍、紙の書籍共に購入できます。
神の見えざる手に動かされた人々が、1つの小さな嘘が招いた大きな謎を解き明かしていく物語が、
1つの遺影写真館に集結していく物語は、道尾秀介のミステリー小説作家としての技巧が随所にちりばめられています。
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