政治経済 書評

国民の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶 書評

日本人の国民性は世界でも評価されていますが、表面的なやさしさ、思いやり、絆の陰に

異分子を徹底的に排除する習性、今までの習慣からなかなか違うことにチャレンジしようとしない変化のなさ

出る杭は地球の底まで叩きのめす勢いで叩き潰し続ける執拗で不寛容な性質、

そういった日本人の悪い一面が日本経済低迷の一因となっていることを国民の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶の著者は主張しています。

経済の初心者でもわかりやすく解説した良書

日本の田舎を見ていれば実感できますが、田舎には都会のような新しいサービスがありませんし、何にしても古いものが多いです。

古き良き自然風景が楽しめるという点は良いのですが、

いつまでも変わらない暮らしの中では経済は発展しません。

日本経済をよりよくしていこうと思うなら、まずは日本人全体の消費に対する考え方を変えていく必要があるということです。

テレビのニュースで報道された、アベノミクスや小泉の構造改革など、

政治家が何を考え、何のためにそのような政策を実行したのか、素人でもわかりやすく書かれています。

なんでも安いものが一番!という日本人の消費マインド

安くていいものが一番というのが日本人の消費マインドです。

スーパーでの買い物でも、卵が並んでいれば一番安いものを手に取っていませんか?

安くても食べられるならそれでいいというのは、明日の暮らしも知れないほど困窮しているならともかく、

ある程度の安定収入があり、貯蓄もできるような状態であれば安さを求めて奔走する必要はないのではないでしょうか。

また、安いものにはそれなりの理由があります。

安くていいものにも限界があります。

本当に品質が良いものはやはりある程度の値段がします。

人は食べ物からできているので、良い食べ物を食べたほうが心身ともに健康を維持でき、仕事や勉強も身が入るようになり、

お金が稼げればそれを質の良い食べ物や自身のスキルアップ、貯蓄へと回していけるという良い経済循環が生まれます。

対して、安いものばかりを追い求めていれば卑屈になっていきます。安いもの、安いものと考えている暮らしって窮屈です。

安い食べ物にこだわる人は栄養バランスも偏りがちで、病気にもなりやすく、医療費もかかります。

病気は一度なってしまえば長い戦いが続くことだってあります。そうすると仕事もできなくなり、お金が少なくなるので

さらに安いものしか買えなくなり、絶望感も増大し、経済的損失が大きくなっていきます。

日本経済低迷させている要因の一つが、とにかく安いものを買いなさいと押し付け、

逸脱しようとすると出る杭は打たれる日本の古き良き村社会の伝統にもあるのでは、

ということを「国民の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶」という本を読んで思いました。

日本の田舎の人口減少の要因もムラ社会的習慣にある

日本の田舎はどんどん人口が減っていきますが、それも老人による若者への余計なお世話が要因の一つです。

若者が移住してきてもすぐに出ていきたくなるような田舎のムラ社会は、

個人のプライバシーを詮索したり、スパイ活動をしたり、探ってくるような真似をしたりといったことを

初対面の人間に向けて当然の普通のことのようにやってのけます。

彼らにとっては他者のことを知り、仲良くなるための普通のことで、親切なお世話を焼いたつもりの行動のようですが、不愉快で腹立たしい思いをさせることが理解できない妖怪、ハイエナのようにしか見えません。

ちょっと言った、聞いただけ、ちょっと外から見られただけでは個人の内面などわかりません。

そんなこともわからない赤の他人の集団が、こそこそと嗅ぎまわり、詮索したおすのが田舎のムラ社会です。

そのような習慣が根強い田舎で人口が減少し、経済低迷にもつながっていくのはむしろ自然なことです。

日本全体の経済を発展させるためには、一見人付き合いが上手に見える田舎の集団の性質の悪さにもイノベーションを起こす必要があります。

まとめ

国民の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶を読むと、日本の8割を占める田舎が経済低迷に陥っている状況への危機感を感じました。

主要都市圏以外は大体が根強い村社会、田舎の習性の悪い一面をいまだに残しています。

日本人全体の意識改革を始めていかなければ、日本はどんどん住みにくい国になっていくのではないかと思いました。

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