中山七里著作の「護られなかった者たちへ」を読んだ書評・感想を書きます。佐藤健と阿部寛出演で映画化もされたこの小説では、
福祉サービスで護られなかった者たちの悲劇が描かれています。
生活保護を受けることは悪いことではない
生活保護を本来受けるべき人が受けられずに食べ物も食べられずに死んでいく現実があります。
逆に、生活保護を受けるべき条件を満たしてもいないのに生活保護を受給している人がいるというのも現実です。
そのため、福祉施設の相談員も慎重にならざるを得ません。
「護られなかった者たちへ」という小説の主題は生活保護のケアから零れ落ちてしまった人々の悲劇と復讐劇です。
生活保護は弱者のための制度であり、受けることが悪いのではありません。悪いのは一部の不正を働く人たちだけです。
生活保護を受けることはやむを得ない状況はある
現役時代はまじめに働いて生きてきた人も、定年後に生活費に困り、生活保護を考えざるを得ないというケースは実際に多いです。
年金だけではとても食べていけない未来は、他人ごとではないかもしれません。
どんなに頑張っても生活費も収入源もなく、路頭に迷ったとき、生活保護が受けられなければどうなるでしょうか。
食べるものを買うお金もなく、水しか飲めなくなればどうなるでしょうか。
食べ物がないと死んじゃうニャ。
社会の現実を世に問うミステリー

「護られなかった者たちへ」に出てくる老婆が最後まで生きて亡くなった古いアパートは、
今にも崩れ落ちそうな廃屋のようなところをイメージしながら読みました。
薄暗く、狭く、昭和の時代の隙間に取り残されたようなアパートの一室で、生活費が底をつくというのは恐ろしく、絶望的です。
どんなに窮乏していても、条件によっては生活保護を受けられないことがあります。
「護られなかった者たちへ」の中でなぜこの老婆に生活保護が下りなかったのか、説明はされていますが理不尽さを感じるような理由でした。
この小説はこの老婆の死を巡っておきた殺人事件を追うミステリーです。
生活保護の社会問題をテーマにしたミステリー小説だね。
まとめ
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