SF小説は設定が込み入っていたり、分かりにくかったりするというデメリットがありますが、
日本のSF小説は海外のSF小説と比べるとまだわかりやすく、物語に入り込みやすいものが多いです。
ここでは、わかりやすく読みやすく、面白いと話題の日本のSF小説、森博嗣ワールドを紹介します。
森博嗣のSF小説シリーズ
森博嗣は「すべてがFになる」で第1回メフィスト賞を受賞し、デビューしたことで知られる日本の小説家です。森博嗣の小説の世界観は独特で、読む人によっては難易度が高めとは言われますが、面白い、楽しいという読者も多く、今なお人気を博している作家です。
森博嗣のSF小説シリーズは多く、百年シリーズがその始まりです。
百年シリーズは「女王の百年密室」「迷宮百年の睡魔」「赤目姫の潮解」の3作からなります。
1・2作目は森博嗣作品の初心者でもわかりやすいです。
2113年の高い城壁で外界から閉ざされた街にたどり着いた、サエバ・ミチルとウォーカロン(自立型ヒューマノイド)のロイディが主人公です。
機械的な受け答えしかできないヒューマノイドであるロイディとミチルの会話がこの作品に親しみ要素を加えています。
それも手伝って、難解さを感じることも少なく世界観を理解することができます。
ところが百年シリーズ最終章である3作目の「赤目姫の潮解」は難しいと評判です。
世界観も登場人物も1・2作と3作目で変わっているように見えて、間違いなく続編であり、最終章が3作目なのです。
この3作のつながりの意味、なぜ百年シリーズなのか、それを理解できるのはすべてを読み終えた後です。
森博嗣ならではの詩的で文学的、知的な文章力がこの3冊からなるSF、百年シリーズを生み出しました。
わからないけれど、それでもその文学をわかるまで読んでみたいと何度も読み返す、
そんな読者が多いのも森博嗣シリーズの特徴です。
百年シリーズの続編、Wシリーズ

百年シリーズの続編としてスタートした森博嗣のSF小説がWシリーズです。
百年シリーズで登場した自立型ヒューマノイドである、ウォーカロンが登場することがこのWシリーズの特徴です。
全10作で完結するこのWシリーズの舞台は医療技術の進歩によってほとんど人が死ななくなった未来です。
ほとんど人が死ななくなった未来の社会では、原因不明で子供が生まれなくなったという問題を抱えています。
ヒューマノイドに人間が乗っ取られるかもしれない危惧があるなど、ドラえもんの世界のような話が現実味を帯びて語られています。
実際、現在のAIや医療技術の進歩が行き着く未来社会として想像しやすい世界観ということもあり、物語の理解もしやすく、面白く読むことができます。
森博嗣SF小説の最新作WWシリーズ

森博嗣のSF小説シリーズ最新版がWWシリーズです。Wシリーズ同様自立型ヒューマノイドであるウォーカロンが登場する世界のSF小説です。
現在の最新刊は「君たちは絶滅危惧種なのか?」というタイトルです。
自然保護区の中にある、ドイツの古城を模した研究施設から何かが逃げ出したことに端を発する事件が主な主題となっています。
Wシリーズを先に読んでおくと、世界観の理解も深まります。
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まとめ
森博嗣のSF小説は難易度が一般的なミステリー小説と比べると高めです。
とはいえ、世界観を理解していくにしたがってその面白さ、深みを感じることができるようになります。
森博嗣の作品全体に言えることですが、
とにかく文章が美しく、文章構成がうまく、文章力が素晴らしいです。
すべてがFになるというデビュー作から森博嗣ワールドを読み始めてみることもお勧めします。