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奏鳴曲 北里と鴎外|書評・感想

明治時代の日本で感染症研究の第一人者として名を遺した北里柴三郎森鴎外にスポットを当て、ライバルとして切磋琢磨し、最終的には対立することになった二人の生涯を描いた1冊が「奏鳴曲 北里と鴎外」です。

海堂尊が描く迫力満点の医療ドラマ

奏鳴曲 北里と鴎外はチームバチスタの栄光やコロナ黙示録の著者としても知られる海堂尊の最新作です。

明治時代に感染症と戦った二人の偉人の壮絶な医療ドラマを迫力満点に描いています。

この小説では北里柴三郎と森鴎外の人生を対比して描くとともに、明治時代の日本の官僚組織に対する痛烈な批判も込められています。

陸軍内部で戦死者よりも多くの死者を出した脚気問題の背景には

官僚組織に連綿と根付くデータ軽視体質や隠ぺい工作体質といった負の側面があることが作中でほのめかされています。

感染症研究者として歴史に名を残すだけでなく、明治天皇からの支持も受けた北里柴三郎を人格的にも好意的に描き、

性格的に欠点が多かった森鴎外に対してはやや悪印象を持てる書き方で描いているのもこの小説の特徴です。

北里柴三郎、森鴎外、二人はそれぞれどのような人物だったのか。

どのような人生を歩んできたのか。

明治時代の歴史背景に合わせて二人の偉人の生涯を知ることができるのがこの「奏鳴曲 北里と鴎外」という小説です。

明治時代の人間の多面性や雑多で人間らしい姿も克明に描かれていて、明治時代の世界観が目の前に広がっているような臨場感と迫力のある小説だったよ。

奏鳴曲・北里と鴎外は453ページと分厚い1冊ですが、難解になりがちな明治日本の社会を比較的わかりやすい文体や表現で描き出しています。明治日本に生き、感染症研究に生涯をささげた二人の研究者の人生を知り、歴史と社会を考えることができる1冊です。

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